土地選びに潜む意外なトラブル
土地選び、インターネットで闇雲に探してはいませんか?
あなたは、どうやって土地を探しますか?住みたいエリアの不動産に依頼?それとも、インターネット検索や地域の情報誌で探しますか?いろいろアンテナをはりめぐらして探すのはよいことです。
しかし、覚えておいてほしいのは、土地には不動産屋にもわからない「トラブルの素」が潜んでいる場合があるということです。
たとえば、準防火地区や特別に建築を認められた市街化調整区域では、建てられる家の大きさや仕様に制限があります。この場合、住宅の建築コストが数十万円から100万円以上アップすることもあるのです。
建物の高さや道路からの距離に制約がかかるのは、「北側斜線制限」や「道路斜線制限」。場合によっては、家そのものが希望の広さを確保できないかもしれません。また、土地の横に崖がある場合、コンクリートで擁壁(ようへき)を作らなければならないことも。他にも、新しい造成地などのひな壇状の土地では、モルタル(コンクリート)の階段を作るだけで数十万円の費用がかかります。
不動産屋さんは残念ながら、土地による建物の規制があることは知っていても、細かい規制の内容や、住宅コストにおよぼす影響までは把握していないことがほとんどです。
地盤改良も大きな出費のもとに
地盤の情報も同様です。東日本大震災でも注目された、液状化現象を引き起こす原因となったのが、この地盤の状態です。土地は、見ただけでは地下の地盤の状態まではわかりません。そのため、家を建てても大丈夫な地盤かどうかを調査する必要があります。
そして、もし地盤が弱い土地なら地盤改良をしなければなりません。これには当然、費用がかかります。
簡単な改良であれば数万円で済むこともありますが、軟弱地盤や砂地、沼地などの場合は、「柱状改良」といって、100万円以上も費用のかかる改良が必要になるケースもあり得るのです。
ほかにも、土地によっては上下水道や排水ルートが目の前の道路に通っていないため、近くの広い道路からの引き込み工事が必要になるケースもあります。この費用は地域によっては市町村から補助が出る場合もありますが、多くは地権者の全額負担です。距離によっては、数十万円から300万円以上かかることも考えられます。
〈擁壁の設置が必要な場合〉擁壁費用+数百万円の出費の可能性も・・・
がけ崩れや土石流出などの恐れのある土地は、「宅地造成等規制法」という法律によって、災害防止のための擁壁を設置しなければならず、思わぬ出費に…。でも不動産屋さんは、金額のことまでは教えてくれないこともしばしば。きをつけて。
上記のように、不動産屋さんやインターネットの情報では、土地の広さや日当たり、周辺環境などまではわかっても、「宅地」として適しているか、実際に住める状態にするために別の費用がどのくらいかかるかまでは、わからないことがほとんどなのです。
土地探しは、不動産屋ではなく、住宅会社に相談
そうなると、土地はどうやって探すのがいいのか迷うところですが、家の施工を依頼しようと考えている住宅会社に協力してもらうのも1つの方法です。
実際にあなたの家を施工しようという住宅会社であれば、あなたの希望を聞いていますから、その家を建てるのにふさわしい土地を選ぶ手助けをしてくれるはずです。
土地探しに親身に協力しなければ、その後の建築の受注もできませんし、受注した後、実際に工事をするのは自分たちでですから、不都合がありそうな土地は選びません。
もちろん、家を建てた後もずっと施主さんとのお付き合いは続くため、無責任なこともできません。当然のことながら、土地探しへの協力にも熱心になるでしょう。前述した擁壁工事の必要の有無や、もし必要となる場合の工事代も、住宅会社なら試算できます。
もちろん、ご自分でもぜひ土地探しをしてください。不動産屋さんなどを通じて良さそうな土地の目ぼしがついたら、「この土地はどうでしょう?」と住宅会社に相談しましょう。プロの目で、あなたの家を建てるのに適した土地か否かを判断してくれるはずです。
さらに…先走って土地を買ってしまうと、こんなトラブルも
土地にお金を使いすぎ、建物にかける予算が不足、土地に対してやけに小さい家しか建てれない、なんていうことも…。全体の予算と、家本体の値段が決まって初めて、土地の予算は出るものです。